MENU

海軍が掲げる「絶対的正義」の正体:なぜ赤犬は避難船を撃てたのか?世界政府が秩序のために「悪」を必要とする理由

記事内にプロモーション広告を含みます

「正義」という言葉ほど、人を安心させ、同時に思考を止める言葉はありません。

漫画『ONE PIECE』を長年追い続けてきた読者なら、誰もが一度は感じたことがあるはずです。

「なぜ赤犬は、あそこまで残酷な判断を下せるのか?」

オハラの避難船を砲撃し、部下のコビーを殺そうとし、命令に従わない者を容赦なく粛清する元帥サカズキ。

彼の掲げる「絶対的正義」は、読者の倫理観を激しく揺さぶります。

しかし、もしこの「正義」が個人の信念ではなく、世界政府という巨大システムを800年間維持するために設計された統治プログラムだとしたら、どうでしょうか。

本記事では、海軍が掲げる「正義」を道徳的な問題として片付けるのではなく、支配を正当化し、異分子を排除し、民衆の思考を統制するための政治的装置として徹底解剖します。

この記事の要点

  • サカズキの「絶対的正義」は個人の狂気ではなく、システム防衛のための最高セキュリティ
  • 三大将の正義の違いは偶然ではなく、世界政府によるリスク分散戦略
  • バスターコールは「必要悪」ではなく、支配を維持するための主権的暴力装置
  • 海軍の「正義」は、民衆を守るためではなく、世界政府への疑問を封殺するための思考の檻
目次

赤犬(サカズキ)の「絶対的正義」とは何か?世界政府が異分子を排除する支配の論理

この章では、現海軍元帥サカズキの「絶対的正義」が、なぜ世界政府という巨大システムにとって不可欠な機能なのかを解明します。彼の残酷な判断は、実は800年続く支配を守るための高度に洗練された排除ロジックでした。

赤犬の正義はなぜ過激なのか?「悪の可能性」すら許さない全体主義的思想

サカズキの正義を一言で表すなら、それは「リスクが1%でも存在するなら、それは100%と同じ」という極端な予防原則です。

最も象徴的なのが、オハラの避難船砲撃事件でした。

当時中将だったサカズキは、民間人を満載した避難船に対し、「万が一あの中に学者が一人でも潜んでいたら、今回の犠牲の全てが無駄になる」として、躊躇なく砲撃を命じました。

ここには、確率論的なリスク管理ではなく、「純粋な秩序」を達成するためには、不純物が混じる可能性のある器そのものを破壊するという、全体主義的な思考が働いています。

この論理構造は、政治学者カール・シュミットが論じた「友敵理論」と完全に一致します。

サカズキにとって「敵」とは、単に法を犯した者ではありません。

世界政府という秩序そのものに対する実存的な脅威であり、その可能性を持つ者すべてが排除対象となります。

「悪の感染理論」と血統主義:属性だけで裁かれる世界政府の危険な発想

さらに恐ろしいのは、海軍のロジックでは「悪の罪は隣人、子供、親戚、場合によっては友人にさえ伝染する」とされている点です。

これは頂上戦争におけるエースの処刑に如実に表れています。

エースは個人として何ら世界を脅かす行動を取っていませんでした。

しかし彼が「海賊王ゴール・D・ロジャーの息子」という属性を持っているという事実だけで、サカズキは「お前の命を放っといちゃあおれねェんだよ」と断言しました。

これは個人の行動ではなく、関係性や血統に基づいた予防的排除を正当化する論理です。

世界政府にとって「D」という名前は、システムに対する構造的脅威(バグ)であり、その存在自体が秩序への挑戦と見なされます。

絶対的正義が生む矛盾:短期的抑止力と長期的な組織崩壊のジレンマ

この「絶対的正義」は、短期的には強力な恐怖による支配(抑止力)を生み出します。

海賊たちは海軍の容赦なき暴力を恐れ、市民は「政府の庇護」に安心します。

しかし長期的には、この論理はシステムそのものを脆弱化させる致命的なリスクを内包しています。

第一に、敵対勢力に降伏や更生の余地を与えないため、相手を死に物狂いの抵抗へと追い込みます。

第二に、クザン(青キジ)のように、この過激な論理についていけない良識派の離反を招きます。

サカズキの元帥就任に伴うクザンの脱退は、組織内部の「良心」という安全弁が失われたことを意味し、海軍の硬直化と内部分裂の始まりを示しています。

サカズキの「絶対的正義」が持つ統治機能

  • 恐怖の誇示:極悪な海賊やテロリストに対し、国家暴力の強さを物理的・心理的に見せつける
  • 予防的排除:システムへの脅威となる「可能性」の段階で芽を摘み取り、反乱の種を根絶する
  • 思考停止の強制:「正義=絶対」という二元論により、部下や市民から判断の余地を奪い、命令への服従を自動化する
  • ハードライナーの結集:「強い政府」を求める層の支持を集め、組織の求心力を維持する

三大将の正義はなぜ違う?赤犬・黄猿・青キジに役割を分けた世界政府のリスク分散戦略

この章では、赤犬・青キジ・黄猿という三大将がそれぞれ異なる「正義」を掲げている理由を、組織論の観点から分析します。これは偶然ではなく、世界政府が多様な価値観を内包することで統治の安定性を高める、高度なリスク分散システムでした。

三大将の正義一覧:赤犬・黄猿・青キジに割り当てられた統治機能

海軍本部最高戦力である三大将が、それぞれ全く異なる「正義」を掲げていることは、一見すると組織の統一性を欠いているように見えます。

しかし、これは世界政府が意図的に設計したポートフォリオ・マネジメント、すなわち多様な価値観を組織内に配置することで、あらゆる事態に対応し、広範な層から支持を獲得する戦略なのです。

大将名 正義のモットー 統治機能 組織的メリット
サカズキ(赤犬) 徹底的な正義 【恐怖・抑止】規律の絶対化 ハードライナー層の支持獲得、システムへの挑戦の物理的粉砕
クザン(青キジ) ダラけきった正義 【柔軟性・道徳】法の裁量運用 民衆への「人間味」アピール、過度な暴力の緩和
ボルサリーノ(黄猿) どっちつかずの正義 【効率・忠誠】感情なき執行 上層部にとって最も使い勝手の良い歯車、組織の安定性担保

この構造により、海軍は「強権的な守護者」を求める層と、「話の通じる保護者」を求める層の両方を包摂できます。

市民は自分の価値観に近い将校の存在を知ることで、「海軍は信頼できる」と感じ、統治の正当性が最大化されるのです。

黄猿の正義はなぜ曖昧なのか?組織を安定させる「思考停止装置」の役割

三大将の中で最も理解されにくいのが、ボルサリーノ(黄猿)の「どっちつかずの正義」です。

しかし、黄猿の真の恐ろしさは、彼が何も信じていないことではありません。

「信じる必要すら感じていない」点にあります。

サカズキは「絶対的正義」を信じ、クザンは「個人の道徳」を信じていました。

しかし黄猿は、正義の内容そのものに関心を持たず、ただ命令を淡々と遂行するという姿勢を貫いています。

これは組織にとって、最も安定した「歯車」の形です。

彼は疑問を持たず、葛藤を抱えず、命令系統に完全に従順です。

シャボンディ諸島でルーキーたちを制圧した際も、エッグヘッドでベガパンクを殺害した際も、黄猿に個人的な感情はありませんでした。

彼にとって重要なのは「誰を倒すか」ではなく、「命令が下されたかどうか」だけなのです。

この「思考しないこと」による安定性こそが、世界政府が最も必要としていた機能でした。

頂上戦争後に何が崩れたのか?三大将体制の破綻と新体制の危機

しかし、この精妙なバランスは2年前に崩壊しました。

パンクハザードでの「赤犬 vs 青キジ」の決闘により、クザンが海軍を去ったことで、組織内の「良心・柔軟性」を担うリベラル派のトップが消失したのです。

新大将として加わったイッショウ(藤虎)は、クザン以上にラディカルな「仁義ある正義」を持ち込み、ドレスローザでは市民に土下座までしました。

これは失われた「青」の機能を外部から強制的に補填する動きですが、同時にサカズキとの激しい対立を生み、組織の統合性そのものが危機に瀕していることを示しています。

もう一人の新大将アラマキ(緑牛)は、サカズキのフォロワーとして天竜人を神と崇め、非加盟国を露骨に見下す差別主義者です。

かつての「どっちつかず(黄)」や「ダラけきった(青)」が担っていた緩衝地帯が完全に消失し、海軍は「絶対的規律」と「組織への反逆も辞さない道徳」という両極端の間で引き裂かれています

時代 強硬派 穏健派 中立・執行役 バランス状態
旧三大将 赤犬(規律) 青キジ(道徳) 黄猿(効率) 【安定】三角形の均衡
新体制 赤犬・緑牛(過激化) 藤虎(反逆的道徳) 黄猿(孤立) 【崩壊】両極端への分裂

三大将制度が果たしていた統治的役割

  • イデオロギーの包摂:異なる価値観を持つ市民・兵士すべてが「自分の正義」を海軍内に見出せる
  • 現場の裁量権:将校が状況に応じて判断スタイルを選択でき、硬直化を防ぐ
  • 政治的正当性:「多様性」の演出により、独裁ではなく民主的組織というイメージを作る
  • 内部批判の吸収:クザンのような良識派の存在が、不満分子のガス抜きとして機能していた

オハラ事件とバスターコールは正義だったのか?民間人虐殺を正当化する世界政府の論理

この章では、海軍が持つ最終兵器「バスターコール」を、単なる軍事作戦ではなく、法学・政治学的観点から「主権的例外状態の発動」として解明します。オハラで何が行われたのか、その真実は世界政府の支配構造の核心を暴きます。

バスターコールとは何か?法を停止し島を消す世界政府の最終手段

バスターコールとは、海軍本部中将5人と軍艦10隻を動員し、対象となる島を文字通り地図から消し去る無差別攻撃です。

しかしその本質は、軍事的破壊にとどまりません。

政治学者カール・シュミットが論じた「主権的例外状態」、すなわち通常の法が停止され、主権者が超法規的な決定を下す状態そのものなのです。

乱暴に言えば、これは「法律を止めてでも命令できる権力」のことです。

バスターコールが発令された瞬間、その島は殺人罪や財産権の保護といった通常法の適用外となります。

オハラ事件の真実:知識を封じるために行われた「歴史の編集」

最も象徴的なのが、22年前に発生した「オハラへのバスターコール」です。

表向きの理由は「古代兵器の復活阻止」とされました。

しかし真の目的は、空白の100年という世界政府にとって都合の悪い歴史を研究していた学者たちの完全なる排除でした。

世界政府は新聞(メディア)を通じて、歴史の探求者を「世界を滅ぼす悪魔」として再定義しました。

市民には「バスターコール=正義の鉄槌」というナラティブが流布され、恐怖ではなく安心を提供するというプロパガンダが展開されたのです。

さらに恐ろしいのは、バスターコールが物理的に島を消すだけでなく、その島が存在したという記憶や意味をも焼き尽くす点です。

これは哲学者ミシェル・フーコーが論じた「知の権力」の究極的な行使であり、世界政府が「歴史と地理の編集権」を握っていることの証明にほかなりません。

乱暴に言えば、これは「力でねじ伏せるのではなく、最初から『そういうものだ』と思わせる支配」のことです。

エニエス・ロビー崩壊が示す異常性:正義のためにインフラすら破壊する組織

もう一つの重要な事例が、エニエス・ロビー(司法の島)へのバスターコールです。

これはスパンダムの誤操作という偶発的要素を含みつつも、システムの病理を露呈させた事件でした。

海軍は自らの司法機関を砲撃し、消滅させました。

この事実が示すのは、世界政府にとって「正義のイメージ(ロビンを逃さない)」を守ることの方が、「正義のインフラ(裁判所)」よりも優先されるという、倒錯した価値序列です。

現場の海兵や諜報員(CP9)を見捨てる命令は、兵士が「交換可能な部品」に過ぎず、海軍の掲げる「守るべき正義」の対象が現場の人間ではなく、政府の面子であることを冷徹に証明しました。

もちろん、この見方は一面的でもあります。

海軍が実際に救ってきた命、海賊から守ってきた島や村が数多く存在することも、また事実です。

しかし、それでもなお構造としては、バスターコールという装置が「市民の保護」よりも「支配システムの維持」を優先する設計になっていることは否定できません。

バスターコールが持つ三つの統治機能

  • 物理的排除:敵対勢力だけでなく、その土地・建物・文化・記録すべてを消滅させる
  • 情報の遮断:不都合な真実を知る者を根絶し、歴史そのものを書き換える
  • 恐怖の拡散:「逆らえば消される」というメッセージを全世界に発信し、反乱の芽を摘む
  • 法の超越:主権者(世界政府)が例外状態を宣言できることを示し、絶対的権力を誇示する

【結論】海軍の「正義」は誰のためのものか?民衆を守らない支配システムの完成形

この章では、海軍の「正義」が最終的に何を達成しているのかを総括します。それは民衆を守ることではなく、世界政府という支配システムへの疑問そのものを封じ込め、民衆に「守られている」という錯覚を与える、高度に洗練された思考統制装置でした。

「正義のコート」の意味とは?服従を生み出す記号としての権力

海軍将校が羽織る、背中に「正義」の文字が刻まれた白いコートは、単なる制服ではありません。

それは権威を可視化し、兵士と市民双方の心理を操作するための舞台装置です。

原作者・尾田栄一郎氏は読者からの質問に対し、コートが激しい戦闘中でも肩から落ちない理由を「そこに『正義』があるから」と説明しています。

これはメタフィクション的な冗談であると同時に、作中世界において「正義」という概念が物理法則すら超越する超自然的な力を持っていることを示唆しています。

袖を通さずにコートを羽織るスタイルは、人間の肉体的輪郭(腕の動きや細部)を隠し、着用者を「巨大な白い塊」として視覚化します。

これにより個人の脆弱性が隠蔽され、組織としての威圧感が増幅されるのです。

市民を安心させ、海兵を縛る「正義」の心理的効果

背中の「正義」という巨大な文字は、市民にとって条件反射的な「安心」のトリガーとなります。

たとえその海兵が腐敗していても、コートの記号性(ブランド)が個人の悪性を覆い隠してしまうのです。

一方で、海兵はコートを羽織ることで、個人の良心(私情)を抑制し、組織の論理(公務)に従うよう心理的にプログラムされます

ガープが大将への昇進を拒否し続けたのは、「大将のコート(天竜人直属の義務)」の重みから逃れ、自分の流儀で正義を貫くための抵抗とも解釈できます。

正義が疑われない社会:世界政府が完成させた支配システム

ここまで見てきた要素を統合すると、海軍の「正義」は以下のような多層的な統治システムとして機能していることがわかります。

第一に、思考の単純化です。

「正義 vs 悪」という二元論により、複雑な政治的・経済的問題を「倫理の問題」に還元し、市民から批判的思考を奪います。

第二に、暴力の正当化です。

バスターコールや避難船砲撃といった非人道的行為も、「正義のため」という錦の御旗の下では擁護可能になります。

第三に、異論の封殺です。

世界政府のやり方に疑問を持つ者は「悪に加担する者」とレッテルを貼られ、社会的に排除されます。

そして第四に、「守られている」という錯覚の提供です。

市民は海軍の存在によって、自分たちが「海賊という悪」から守られていると信じ込まされます。

しかしその実態は、世界政府という支配システムを維持するために、市民自身が「管理される側」として組み込まれているに過ぎないのです。

海軍の「正義」が達成している統治効果

  • 思考停止の強制:善悪の二元論により、政治的判断を倫理問題にすり替え、批判的思考を封じる
  • 暴力の美化:「正義のため」という大義により、あらゆる非人道的行為を正当化する
  • 異論の排除:システムへの疑問を持つ者を「悪」として社会から隔離・抹殺する
  • 被支配感の消去:市民に「守られている」という安心感を与え、自分が管理されている事実を認識させない

まとめ:海軍の「絶対的正義」が暴く世界政府800年支配の正体

海軍が掲げる「正義」は、道徳的指針ではありません。

それは世界政府が800年間にわたって支配を維持するために設計された、高度に洗練された統治プログラムです。

サカズキの「絶対的正義」は、システムへの脅威を予防的に排除するセキュリティ機能でした。

三大将の正義の違いは、多様な価値観を包摂し組織の硬直化を防ぐリスク分散戦略でした。

バスターコールは、法を超越した主権的暴力により、不都合な真実と記憶を物理的に消去する装置でした。

そして「正義のコート」は、市民に安心を、兵士に服従を、そして世界に恐怖を植え付ける記号論的権力でした。

しかし、この完璧に見えるシステムには、亀裂が生じ始めています。

クザンの離脱、藤虎とサカズキの対立、SWORDという機密部隊の台頭、そして最終章で明かされつつある「空白の100年」の真実。

海軍の正義が、果たして「天竜人の盾」として終わるのか、それとも真の「市民の守護者」として生まれ変わるのか。

その答えは、コートの下に隠された個人の良心が、組織の論理を突き破れるかどうかにかかっています。

もし、あなたが海軍のコートを羽織ったとき、それでも「個人の良心」を選べる自信はありますか?

本記事で解説した海軍の「正義」は、世界政府が思想・組織・地形・歴史を駆使して構築した800年間の恒久支配システムの一部に過ぎません。

世界政府という「支配OS」の全体像を知ることで、物語の結末がより鮮明に見えてきます。

本記事で見てきた海軍の「絶対的正義」は、世界政府が構築してきた支配システムの「実行部」にあたる機能です。

思想・権力・地理・防衛というより大きな構造の中で見ることで、この正義がなぜ必要とされたのかがよりはっきりと見えてきます。

世界政府が800年世界を支配できた理由|4つの階層から読み解く完全設計図

人気ブログランキング参加中です

ONE PIECE(ワンピース)ランキング

ブロトピ:ブログ更新しました!

ブロトピ:ブログ更新しました

ブロトピ:ブログ更新通知をどうぞ!

ブロトピ:ブログ更新通知

ブロトピ:今日のエンタメ情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次